泥染の茶色は、茶色じゃない。

2021.05.19:nakada

1


泥染めをした生地の色合いは、茶色。とは断定できない、複雑で奥行きのある色をしている。


泥染めの茶色は、泥とテーチ木の染料(又は藍)を交互に何度も染めることによって完成する。

この際、泥のグレー色とテーチ木の赤橙色が混ざり合い、奥行きのある美しい茶色が生まれる。

泥染で使われる泥。粒子がなめらか。
島に自生するテーチ木。
テーチ木をチップ状にし、煮出した染料液。

 

上の画像からも見て取れるように、泥染に用いられる天然染料は自然界特有の複雑な色をしている。

泥染工房を訪れた際に泥染職人が言っていた、泥染めは”大地の色”という言葉も、前述した過程を経て生み出された色がゆえの言葉なのかも知れない。


また泥染工房がある奄美の龍郷町には、およそ150万年前の粘土地層が奇跡的にそのまま残っている。その泥は鉄分を多く含み、尚且つ粒子が細かく滑らかなため繊維を染めるのに最適だった。染料となるテーチ木、ミネラルが豊富な水源といった諸条件が偶然揃い泥染が誕生した。

奄美大島の独自の風土によって生まれたここでしかできない技術であり、色であって、”大地の色”と言う表現も腑に落ちる。


テーチ木の染料で染めているところ。
工房付近の泥田で、何度も繰り返し染めていく。
余分な泥を川で洗い流す。


余談ですが、この奄美大島の風景を愛し、熱帯の植物や生き物といった奄美独特の風土を精妙に描き続けた”田中 一村”という孤高の日本画家がいる。

代表作とも言われる「アダンの海辺」は、奄美に滞在していた時代に描かれた作品で、日本画とは思えぬ程の強い印象を受ける。

田中一村の描いた奄美の風景からも、この島ならではの空気感と美しさを感じ取れる。

また田中一村は、大島紬の染色工(泥染め)として生計を立て切り詰めた生活の中、絵に打ち込むという修行蔵のような生活を繰り返していた。

生きている間には日の光を浴びることなく、没後全国へ知られるようになった画家です。

アダンの海辺」 田中 一村
奄美大島


今回、halleluにて泥染をしたアイテムは、M47カーゴパンツの前期型と後期型、スリーピングシャツ、ショートパンツなど様々なミリタリーアイテムがございます。

実用的なミリタリーアイテムと伝統技術である泥染めと言うハイブリッドな組み合わせは、柔らかくも力強い独特な雰囲気を醸し出しています。

ブログでご紹介した、泥とテーチ木の組み合わせだけでなく、新たに泥と藍染を組み合わせて染めたモノもご用意しております。

テーチ木と藍のタイプでは全く色味が異なりますので、実際に目で見て楽しんでいただけましたら幸いです。

泥染アイテムを使ったスタイリング画像もインスタグラムへ投稿していきますので、是非ともよろしくお願いいたします。


泥染アイテム 販売日程

5月22日 (土) 14:00-19:00

店頭優先販売開始